ShootingStar 瞳閉じる もう一度お願い 夢を見せて

毎日がカレー曜日。





  • マイナージャンルの二次創作同人誌が出しにくいのは、ネタに困るというより、"周りに同志が居ない" のが最大のネックだと思う。一人で盛り上がり続けるのは大変だし、仲間内で飲みながら作品をネタにすることも出来ない。みんなが盛り上がってるから、僕も私もお祭りに参加しようかなぁ ―― そういう感情は同人には欠かせないんじゃないだろうか。
     アニメは同時性がある。公共の電波を使って放送されるから。でもゲームは? ましてエロゲは? 同じものを、同じ時期に、同じ情熱を持って受け取っている人間達の間から、二次創作は生まれてくるんじゃないかな。 同人活動においてこういう側面を無視した議論は難しいんじゃないだろうか。最低限、そのジャンルでみんなが本を出してるよ! くらいの安心感は必要だと思う。
     (これを何となく理解したのは、今年2月頃に『遥かに仰ぎ、麗しの』というエロゲについて、色々な人と作品談義を行った時だ。複数人でああでもないこうでもないと議論していると、相乗効果で強い愛着と情熱が発生する。あのエンドは俺ならこうする、とかあれの本質はなんちゃらだ、という熱い気持ちが冷めにくい環境があると、創作意欲が形になりやすいのだろう)
     もちろん一人でストイックに続ける人もいるだろうし、Webサイトを持つことが一般化して、イラストや文章を公開する閾値は下がっている。しかしある程度の素材をまとめて、印刷所に頼んで本にして、イベント会場で売り、在庫の山に頭を抱えるまでのプロセスを一人で何度も続けられるか。ジャンルとして定着するには、そのジャンルで何度も本を出す人間が必要だ。そしてマイナージャンルは致命的に "売れない" 。この事実は机の中の人間を大いに痛めつける。次の本を出すことを躊躇わせる。そんなことは外から見ていても分かる簡単な事実なので、誰も飛び込まない。
     誰にも見られていない/読まれていない事実は本当に堪える。HPやブログを運営したことのある人間には特に深く理解してもらえるだろう。二次創作も同人誌も感情的リスクを伴う活動であり、対価が得られないと知れば手を出さないのが普通だ。 "二次創作を作りやすそう" というファクターは本当にきっかけの一因でしかなくて、それがちゃんとした形になるかどうかは周辺環境に依存しているのではないだろうか。
     以上、同人で挫折した某氏の監修の元お送りいたしました。ここまで書いて亡国データバンク日記 - エロゲー同人誌のジャンル寡占についての簡単な考察と内容が被っている事に気付いて絶望した。


  • 今月のTGをチェックしていたら、なんだかこう、軽く泣きそうな気分になった。もう随分長くエロゲヲタやってきて、色んな作品をプレイしてきて、今じゃこんなサイトをやってるワケだ。あちこちから新作が発表されていて、経験の積み重ねから "このブランドなら、クリエイターならこういう作品に仕上げてくるだろうなぁ" とか、おぼろげながら分かるようになって。
     魅力的な作品ばっかりなんだよね。チェックリストを作ろうと考えて、多すぎて諦めた。どれもやってみたい。でも多分、ちゃんと腰を据えてプレイできる作品は4割……いや、3割くらいだと思う。それが悲しい。ふと自分の能力の低さとか、そもそもの人間の能力の限界とか、そんなものまで意識し始めてしまう。世界中の名作が読み切れない事に絶望するのと同じで、しかも狭いジャンルでもこんなだ。全部知りたい!というのは下らない欲求なんだろうけど、諦めたくはない、なぁ。