TVA 『ブラックラグーン』 OP主題歌 「Red fraction」 訳詞

 以前コメントフォームで話題に上がった 「Red fraction」 の訳詞について、当人である楓さんから投稿を頂いたのでこちらに載せたいと思います。 (もちろん本人からは掲載許諾済) この間カラオケで歌ったら難しさに撃沈しましたが。

Red fraction
Words by MELL
Composed & Arranged by Kazuya Takase
Song by MELL(I've sound)


I have a big gun  I took it from my Lord
 (あたしが持ってるでっかい銃は、神様から奪い取ったものさ)
Sick with Justice  I just wanna feel you
 (正義なんて吐き気がする あんたさえいればそれでいい)
I’m your angel  Only a ring away
 (頭に輪っかはないけれど あたしはあんたの(告死)天使様)
You make me violate you  No matter who you are
 (あんたがどんな野郎でも 今はあんたをやっちまいたくなるよ)
It’s all up to you  No one lives forever
 (全てはあんた次第だよ 死なないヤツなんて居やしないんだから)
Been burn in the hell  By all those pigs out there
 (地獄の業火よ ブタどもを焼き尽くせ、ってな)
It’s always been hell  From when I was born
 (生まれ落ちてからというもの、あたしにとってこの世は常に地獄だったよ)
They make me violate them  No matter who they are
 (例え奴らがどんな人間だろうと あたしは全部やっちまいたくなるのさ)

Get down on your knees  Get a good head on your shoulders
 (跪きな、デキのいいオツムが乗っかってんだろ)
If it’s for your guys  Go to the end of the earth
 (仲間の為を謳うなら、地の果てを目指してみなよ)
Do what you think  Give it with dedication
 (全部差し出して、思うがままにやってみな)
I’ll put out your misery
 (あたしがあんたの苦痛を消し去ってやるからさ)


Have no prayer  So, I keep the gun with me
 (神に祈るなんて無駄なのさ だからあたしは銃を手放さない)
For my safety  I’ll do it with no sweat
 (自分自身の為に、躊躇無く引き金を引けるぜ)
They mean business  No time for sissy pig
 (これは単なるビジネス 女々しいブタに割く時間なんてないよ)
Queen of ocean  Sing "the Volga" to you
 (セイレーンが死の歌をあんたに歌ってくれるだろうさ)
No need to think about it  You do it or you die
 (考える必要なんてないだろ? やるかやられるか、だぜ)
Those aren’t tears  Don’t let it trick on you
 (泣こうがどうしようが、現実は変わらないのさ )
I am hard as steel  Get out of my way
 (あたしには鋼の意志がある あたしの行く手を邪魔するなよ)
Pay back all at once  Suck away the tender part
 (人生の貸し分は全部返してもらうのさ 弱さなんてしゃぶって捨てちまえ)

You made a mess  For Christ sake, this rotten world
 (キリスト様の後光が差す、この腐った世界で あんたは下手を打ったんだ)
Shit out of luck  Go with my vision
 (運の無い野郎だね あたしの側から見てごらん)
Light up the fire
Right on the power
Weapon… I have it all
 (燃える炎が照らし出す、力と武器が真実さ・・・それが全てだよ)


※、☆ 繰り返し

 個人的には非常に興味深い訳だと思いますが、もちろんこの訳も解の中の一つです。受け手によって無限に意味は存在しますから、これをきっかけに自分で考えてみるのも面白いでしょう。
 しかしMELLさんはよくここまで壮絶な詩を書いたよなぁと思います。原作に惚れ込んだというエピソードが有名ですが、それでも相当読み込まないと書けない。こんな素晴らしい音楽が提供されてるということで、アニソン・ゲーソンの現在はそう暗くはないと思うのです。以下はメールで頂いた楓さんのコメント。

で、内容なんですが、これってインタビューだとMELLさんが原作に惚れ込んだ上でレヴィと、自分の中にある世の中に対する怒りを投影して作詞した、という事らしいですが、どんな風にでも意味の取れる慣用句とスラングのオンパレードなので誰に向けての語り口調なのか、という視点を変えるとまるで意味の違う訳が出来ちゃうんですよ・・・


そういえば「Red fraction」というタイトル。直訳すれば「赤い断片」。
最初は血痕の事かな?とか思ってたんですが、赤=怒りや憎しみ、もしくは直情を表す色と捉えれば、 「レヴィ(もしくはMELLさん自身)から滲み出た感情そのものがここにある」 というメッセージなのかな?という気もしてきました。