オーガスト『夜明け前より瑠璃色な -Moonlight Cradle-』 関連コメントレス(ネタバレ有)

今更ながらけよりな終了です。

エステルED曲の「創星 -celtic arrange-」が離れずぐるぐる。

生命維持の根幹をロストテクノロジーに頼っている月人にとって
月の未来はきっと不安や閉塞感が大きかったのかなぁと思いました。
それはゆったりと死に向かっていくかのような。

戦争を恐れ、閉じた平穏を選んできた彼らを揺り動かすのは
本編で何度も家族との絆を深めてきた達哉の役目だったのかなと。
まるで月に関心のない地球人の態度は、地球なしでは存在できない月にとってどのように映っていたのか。
それを想像すると地球人の達哉が自ら乗り込み手を差し伸べた事はとても大きな意味があるように思えます。

まぁ結局、Su-37さんの前奏曲、という言葉に集約されるんですよね。
うまくまとめられませんけど。
長い長い前奏曲がようやく終わり、これから始まる彼らの本編に対し
8年後、そして400年後を知っている僕らは安心してこの先を夢想することが出来るわけです。

あとは、シンシアが朝霧家について思った「肯定に溢れた環境」がとてもお気に入りです。
そうか、そういうことかと、ふいに色々納得してしまった言葉でした。

 お疲れ様です。月の閉塞感が根源的なものである、というのはよく分かります。フィーナも少しだけ語ってますが、本来の月は酸素一つ存在しない荒野、あるいはそれ以下の存在。そこに"踏み出した"人たちはともかく、"生まれてしまった"人たちは複雑な感情を抱くでしょう。それがエステル、シンシア、そしてフィーナの背景にある普通の人の感覚。
 その上で、達哉については能力よりもスタンスが重要だったわけで。月の中でも選民であるフィーナと、一般の地球人の組み合わせ。荒唐無稽と言うよりは、幸運な物語であったのかなと思います。
 いやしかし、シンシアのシルエットが生み出す印象はある種のセンスオブワンダーだよなぁ。それがオーガストの底力かな、とか。良いフィナーレでありました。