今日の前置き
- 『とっぱら 〜ざしきわらしのはなし〜』読了。たいへん興味深い作品でした。細かい傷と大オチの弱さは確かにあるけど、むしろ各ルートの短編としての面白さの方が重要ではないかと思う。存在意義と行動原理がそのまま物語になる妖怪モノらしいのかも。それぞれの妖怪・神としての背景、象徴する人間の業を知っておくとより楽しめるハズ。
- この作品の悪意の無さは凄い。それは癒しを自称しているからだろうけど、むしろもっと大きなものに繋がっている気がする。復活や再生、あるいは克己という言葉の方が本質に近い。ミドリという芯が通っているから、EDテーマの「rebirthday eve」が映えるのだろう。2008年エロゲ界屈指の名曲。
- 誰も彼も魅力的で甲乙付けがたいものの、キャラクタについては瀬織、物語としてはイソラかな。瀬織の正体に初見で気付けなかったのが悔しい。幸子はキャラクタとお話のバランスが取れてて可愛いし、美影は影女のくせに存在感があって素敵。その中で異彩を放ってるのは部長だよなあ……一人だけホラーを演じている。この世で最も怖ろしい化物は人間である、とも言えるか。
- アンタは病気だよ春風さん!そろそろ怖くなってきた。