PULLTOP 『遥かに仰ぎ、麗しの』 ビジュアルファンブック発売記念「みやびちゃんぷりちー!ボイス」第二弾を公開

 みやびちゃんがぷりちーなのは分かったから、もっとみさきち分がほしいッス。以下『遥かに仰ぎ、麗しの』ネタバレ有り。VFBの内容にも触れてます。




 サブキャラのデザインについてはおおよそ期待通りで。大銀杏の髪が長いのと岡本さんがカッコ可愛いのは予想外でしたが、高藤陀&小曾川コンビの決まりっぷりと眠りの神はガチ。三橋は『大魔法峠』、野原のばらは『ぱにぽに』っぽいかも。元々立ち絵を入れるつもりは無かったとのことで、後付で書いた結果として作中のイメージに合致するものになったのかな。イメージが充分に固まっていたのは、彼女らを積極的に動かした丸谷氏と好演した声優陣によるのでしょう。


 で、今回の主目的だったスタッフインタビューですが、この丸谷&健速インタビューだけでも3000円分の価値はあったんではないかと。知りたがりの読み手が求める情報をほとんど提示しているように思える。少なくとも自分が疑問視・重要視していた部分については確実にフォローされています。


 健速氏のインタビューではまず物語のロジックと理由付けが説明されていて、心的手順を重視する本校系の根本が見える。本校系に感じる内部的な"枠"であるとか"制限"はここから来てるのかも。本人が詰め将棋と表現する、物語の後にキャラを作るやり方。心の救済や解放をテーマにする上でもこれはこれで正しいのかな思います。ヒロインサイドから積極的に司を語らせるその表現方法はちょっとエレガントさに欠けますが、少女漫画的と比喩されるある種の正直さは嫌いじゃない。 (そうそう、コンビニでバイトの件と、司の飛行機が飛んだらヤバイという感覚はあったらしい件はつい笑ってしまった。最後の良識は守られたのですね)


 一方丸谷氏は余裕を持って書いているような印象。キャラに対してアイデアを200%,300%分用意した上で絞り込んでるのかな。丸谷氏の司にとっては教師要素はそれほど大事ではない、というのは作中からも感じます。家に対してそれぞれに行動の限界があって、それぞれがどういう手段で家の壁を乗り越えるかという話。みさきち派としては美綺の精神年齢に関する記述も嬉しいですね。対等な関係と相手の尊重に言及する辺り、美綺が一番好きなのが伝わってきます。最初に設定が決まったのが美綺なら、あの世界の中心が美綺であるように感じたのは間違いではなかったのかも。(婿選び設定はやっぱり意識してたんですね。サブキャラの設定に関しても詳しく語っていて、やっぱりあの分校編を書いただけあると納得。今回はダークな路線はかなり抑えめになってますが、このライターは底が知れない)


 ハッキリ言って、このインタビューがあれば考察とか要らないんじゃないかと思う。書き手の真意はほとんど想像通りの場所にあって、無理に斜めに読む必要は無かった。例えば梓乃の情熱というテーマはいつか取り扱おうかと考えててネタ出しもある程度進めていたけれど、自分がグダグダ語るより健速氏本人が一言書いちゃう方がずっと説得力がある。書き手から回答が示されてる状態で受け手が言葉を重ね続けるのは難しい。答え合わせとしてこのインタビューは非常に優秀なだけに、ちょっとだけ憎らしいです。まさに考察殺し。