『グリーングリーン』シリーズに関するコメントレス (ネタバレ有)

 遅くなって申し訳ありません。今更ネタバレを気にする人もいないかと思いますが、プレイ予定の人は閲覧注意。

>グリグリ2〜個人的には1よりずっと好き
 おお同志よ!常々、「2は名作でありボーカル曲だけが評価されるのはなんか違う」と感じてた身としては、再評価の声は単純に嬉しい。いや、いいゲームですよこれは。流されるだけではなく、自主的に積極的に他者に関わっていく主人公の気持ちよさ。あけすけに馬鹿でエロくて青臭い男どもの格好良さ(ホセは何ていい奴なんだ)。主題のはっきりした各ルートのシナリオ(ここらへんは「遥かに仰ぎ、麗しの」と似た匂いを感じたり)。そしてテーマとしっかり関わったED曲の出来が凄いのは言うまでもなく。シナリオとしては個人的にはひまわりエンドが一番好きなんですが、その他のルートもそれぞれ味わい深かったよなあ。「僕らの七日間戦争」なノリが好きなもんで、攻防戦は全体的に燃えました。「ヘルス奪還作戦」や「轟先生の土下座」、「僕は緑川豊です!」なんかは未だに心に残っております。そう、こういう学園モノが見たかったんだよ!と何度快哉を叫んだか。なんで評価が低いのか、未だによく分からんのだよなあ。──以上、そこそこ年季の入ったグリグリファン(※きわめて少数派)の声でした。リメンバー、最低でも最高の夏!(私自信、発売当時の議論に関わってたわけではないですが、まあ、こういう声もあったということで)

 守りたいものとしての鐘ノ音学園。その大切さは2で大きく成長して、3に繋がったと思います。1の段階では鐘ノ音の楽しさ面白さに焦点があり、いつか失われるものとしては書かれていなかった。3で卒業をテーマにするにあたって、2の下地は実に効果的に作用していました。鐘ノ音学園で繰り広げられた物語の切っ掛けである双葉達が、出会いと別れを経て "卒業" してゆく姿。それが心打つのは本人達の力ばかりではないでしょう。(自分はみどり派ですが、正直ちょっと心が揺らいだ)
 そう、2は言いたいことがハッキリしてる分好き嫌いは出るのかも知れませんね。しかしテーマである "永遠の別れ" は早苗の遺志を継いだものだったし、その中で真菜エンドやひまわりエンドが存在したことは大きな意味を持っていると思う。もう逢えないかもしれないし、また逢えるかも知れない――そういう余韻に関しては1の方が優れていたけれど、結論を出してそれを完遂することの意義は2の方が深かった。若さを燃やして命を捨ててもひまわりを愛することも、終末を知っても真菜の夢を見送ることも、選ばれた本当の未来。
 (2はどれも素晴らしいエンディング曲ばかりだけど、この二人の「夢」と「バイバイ」は特別凄かった! 決めることが大事、とは後の「Remember」にも通じるかな)



>グリグリ  やっぱり1で直撃してしまった人間としては、2が出るまでの間、期待し続けてしまったので、 その分、2の評価が下がってしまうのは仕方が無いかと。 …2は体験版のスタッフ座談会が一番印象強い。

Suさんがハマっていく様を遠くから生暖かく見守る古参グリグリファンの俺なのでした。一段落ついたようですのでいくつかの件で投稿を。
グリグリはヤマグチ版小説で双葉エンド=公式という設定になってしまったのが、後々も引きずっているわけですが、元々作品のテーマが『別れ』にあるわけで、以後の世界として無難に続けられるのが双葉しかいなかったって所なんでしょうね。
2の評価が低いのは『最低で最高の学園生活』と『悲劇』とのギャップが1のウリだったわけですが、あの空間を心地よいと感じてた人にとっては、その空間を作ったメンツを蚊帳の外に、後から来てかき回してるようにしか見えない面もあるからだと思います(みどりエンドに至ってはひっくり返しますからね)。というか1から2が出るまでにかなりの期間があったので、受け手の中でかなり美化されてたってのが一番かなあ、と。
それからPS2版早苗エンドは……ひょっとして……! というところで切れる感じです。蛇足と言えば蛇足ですが、ギリギリセーフみたいな(笑)。ちなみにダイナティックとPS2版は、キャラによってシナリオが根本から違ったり、細部が変わってたりします。個人的には曲の多様性とレベルではPS2版が一番だと思ってます。以降はパターンが決まっちゃった感があるので。

 双葉エンドを公式にしたこと自体は間違ってないと考えてます。仰る通り安定しているし続行性があるのは確か。1のみどりエンドは完結しちゃってる……と思う。(1のみどりエピローグでみどりが再び遡航してきますが、2とは動機が違うと考えている) 美化問題も大きいのですが、何より問題は3での双葉の取り扱いじゃあるまいか。天神姉妹の時の振り方は流石に酷いっしょ。謝るっしょ。(思わずバッチグー化)
 鐘ノ音学園という舞台に対しても、2の役割は大きかったんではないかなぁ。初代三馬鹿と双葉達が鐘ノ音の雰囲気を作ったのは分かるんですが、その先に世代の構造を作るには下級生の新キャラが必須だったと思います。沢山の馬鹿達がいて、その一人一人が鐘ノ音という空間を作り上げている、と。期待の方向性の違いも問題になるかな。確かに青春モノとしても楽しみましたが、自分はみどりに始まりみどりに終わる未来人設定、出会いと別れに重きを置いてプレイしてました。この辺りについて2は大きく取り扱ってましたから。
 2のみどりシナリオは、3のちとせシナリオの前哨戦だったんではないかと考えています。3での2のヒロイン達の振る舞いを見る限り、2→3に繋がる正史は2のみどりシナリオ→3のちとせシナリオのような気が。この辺りはかなり面倒な解釈を長々と語る必要があるので、次の機会に。
 音楽に関しては2や3の方が好みなんですよ。ヒロミ姐さんの歌い方に未だにちょっと慣れきってない。「夢」はものっそい好きなんですけどね。ひまわり好きの俺参上。ヒロミ姐さん曲で次点は「ハローグッバイ」か。(歌詞はもちろんみどり派ちとせ派向けのデモムービー版で!) 音楽は桑島詞とヤマグチ詞(あるいはmilktub詞)でちょっと性質が違うような気がする。平均値では桑島詞(「グリーン・グリーン」から「グラスホッパー」まで)が好きですが、ヤマグチ詞も当たれば大きく「モノクローム」と「オルゴール」は象徴的。そう、歌手別や作詞作曲別に分類しても面白いでしょう。後にまとめるかも。