戦場再び。 -北陸水害復興ボランティアに参加してみますた-

ふらりと始発に乗って福井でボランティアしてきました。別に社会貢献が趣味とか正義に目覚めたとかって訳ではない。2000年9月11日の東海豪雨を経験してる身としては何となく他人事には思えないわけで。経験が役に立ったりするかなぁ、と思って参加してみた。以下に簡易な行動記録。

八時半福井駅到着。既に列車の中でも長靴にスコップのスタイルが見受けられた。
近隣の県からの参加者が多いようだ。駅の外に出たすぐところから既に水害の痕跡らしき道路の汚れ等アリ。被害はかなり広範囲。
自販機は既にお茶とアクエリアスが売り切れていた。駅前からボランティアセンターへ
向かうシャトルバス待ちの参加者が買い占めてしまったようだ。そこには三十人くらい居たように思う。
シャトルバスはピストン運行していて、頻繁にボランティアセンターとの間を往復している。

バスに乗ってへ。九時到着。
途中川を渡ったが、橋桁に引っかかっているゴミ・流木の量からして軽く東海豪雨を越えている。
川を渡った向こうから本格的に被害を受けた地区になっているようだ。道路は乾いた土で真っ白、
車が通る度粉塵が舞い上がるのでマスクが無いときつい。
ボランティアセンターは正に混沌としている。応援要請の電話、ボランティアの登録、備品の配布、
配置決め、怪我人の治療、水分資源の配布等々、戦場といってもいいくらい。
ただ、分担はしっかりしていて手際はとても良い。着いた段階でおよそ百人以上の参加者が居たが、
センターに着いてから実際の活動に移るまで五分程度しか掛からなかった。
登録を済ますと班編成へ。一班当たり五人から十人程度で一件の要請をこなす。

俺の居た班は八人で、作業要請は布団屋からだった。店舗内約十五畳、八畳間二つ、玄関、廊下それぞれ
床下の泥をかき出す作業。ひたすら泥をかき出す。
単純だがこれがまた滅茶苦茶しんどい。泥は深いところで十五㎝ほども積もってるし、時間が経ったとはいえ
まだ生乾き、水分を含んで重い上に粘土質なのでやたらとかき出すのに力が要る。
それを土嚢に詰めていく。満載にすると重くて持ち上がらないので半分と少し程度。数は二十を越えてから数えるの止めた。
こんな時に限って太陽は絶好調。汗が垂れて前が見えなくなるので眼鏡は放棄。どっちにしろ見えない。
泥と汗にまみれた濡れ雑巾のようなタオルで顔を拭く。無駄。時に泥に足を取られ転ぶ。くそ、泣きそうだ。
汗の量が半端じゃないのでどんどん水分補給。だんだん気持ち悪くなってくる。お茶はもう駄目だ、アミノバイタルをくれ。
一時間で最初の限界。二時間でいろいろどうでも良くなってくる。三時間でようやく作業終了。
とは言っても泥は取り切れていない。午後からは別の班が回るとの事。引き続き頑張れ見知らぬ人。
言葉少なにセンターに戻り終了報告。以上で午前の部終了。
午後もやるか、と言われても絶対無理なので帰る。帰るったら帰る。

東海豪雨と比較すると
・水位は低いが被害は広範囲。(布団屋の前で1m位。俺の自宅の目の前の道路では1.5m迄浸かった)
ライフラインは殆ど無事だったらしい。(東海豪雨では電気が完全にストップ)
・行政の対応がイマイチ?(名古屋では何でも捨てていいよ令が出てゴミ回収が頻繁に来た)
・とにかく泥、泥、泥。
って感じかな?局所的に酷いが広範囲被害かの違いっぽい。
あー、人手は慢性的に足りてないらしい。日曜で足りないなら平日はもっと酷いだろう。
これを読んでちょっとでも参加してやろうかと思った人が居たなら幸い。こういう達成感も悪くないと思う。
って午前中でギブアップしたヘタレが言っても説得力が無いな。

一応写真を上げておきます。とは言っても写真を撮れる雰囲気じゃなかったのでかなり少ない。
(ウェブリアルバム、要Flash

戯言追記:道中についてとか。
早朝原付で駅まで行こうと思ったら大雨に降られたり電車が雨漏りして遅れたり、軽い呪いを感じる。
あとオマヌケな事に替えのズボンを忘れてしまって泥まみれのまま帰りました。電車で隣になった人スマソ。
しかもセンターで着替えを取り出した時に暇潰し用の「ファウスト」を落としたようです。
福井市水害ボランティアセンターでファウスト拾った方、どうせなので読んであげて下さい。
センターの所在地がみのり、と言う地名だった。脳内でずっとminoriに変換してたのは内緒。
エロゲ脳だなぁ。