感想 草稿(ネタバレ有)

三日目にして終了。
終わってみれば面白い作品だった。途中あまりのグラフィックの
駄目さ加減とエロシーンの唐突さに
思わず投げそうになったりもしたけど、
TRUEシナリオで目が覚めた。
昨日惜しい作品といったのは伏線に対して
回収が上手くいってない所があったからなんですが、
TRUEを終わってみると原因に納得。
要は世界そのものが作り物だったからという訳で。
未来が見えない世界に現れた無垢な願望機、キューブ。
仮初めの平和と真実の事象世界。
一人の男の狂気に未来を願う六人(いや、イリヤも含め七人か)の想いが
打ち勝つという展開、清々しさを感じさせてくれます。
若干疑問点(半年程度の訓練で軍隊じみた動きが出来るのか、
たった六人でSSTOをジャック出来るのか等)や粗も有るけど、SFっぽさが光る佳作でした。
キューブによって繰り返す世界、と聞いて最初に思い出したのが
川上稔の閉鎖都市・巴里だったのは内緒だ。

キャラの魅力は重視されて無いんだろうけど、それでももう少し引き出すイベントが欲しかった。
六人の学園での日常みたいなものは上手く書けていただけにちょいと残念。イリヤは単にテキスト不足。
作り物の世界の矛盾があり各々の過去がバラバラな所為で
深く切り込めないのはしょうがない事なんでしょうけど。(特に榛名と美鶴
そういう意味でも沙奈は良かった。明るさと後ろ暗い部分のギャップと能力の成長、
木村あやか嬢の演技が見事でした。彼女にこういう役はピッタリですなぁ。
CVといえば美鶴役で北都南嬢が出演なさっているんですが、ちょっと微妙だったかな?
幼馴染役は向いてないのかも。

駄目な所。まずは多分紹介ページだけで分かる酷いグラフィック。
個性的とかそういうモノではなくて、圧倒的に下手な絵だろう。
頭身が毎回違う、立ち絵と一枚絵が別人、、CG塗りが平面的で背景から浮いてる等々もう見てらんない。
これが改善されるだけで手に取ってくれる人の数が掛け値なしで倍増するだろうに。何を考えているんだろう?
他にもエロシーンの唐突さと描写の至らなさとか音質の悪さとか。
久し振りにエロシーンだけ飛ばすなんて青い行為をしてしまいました。
音質は音声が割れてたり聞き取りにくかったり。BGMも総じて悪かった。
こういう部分が万人受けしない感じを醸し出してるんだろうか。
戦闘シーンの記述の仕方について文句のある人も多いでしょうが、その点に関しては
能力の使われ方がパズルのようで興味深かったというところで帳消しかな。

実は耕平の持ってる「波動関数の拡散能力」はえろげやアニメの主人公なら少なからず持っていると思う。
SenseOffの主人公の「運命を励起する能力」にも近い。周りの人間を巻き込み大きな流れを作り出す。
一番分かりやすく言うなら「パルプンテ」、でしょうな。迷惑とも最強とも取れる。

評価的には65点。グラフィックで-30点、エロシーンで-15点、貴重なSFシナリオで±15点。
ロケットの夏みたいな話が好きな方にはオススメな、小粒だけど一味違う物語でした。