銀時計『こいとれ』プレイメモ・その1

  • 公式サイトはこちら。 一気呵成に五人落として一日で終了。肉体的にも内容的にもかなり疲れた。
  • 一連のプレイで目を酷使しすぎたのか、眼瞼痙攣がひどく。テキスト読むのは一日累積8時間くらいが限界かなぁ。仮眠を挟みつつとはいえ、丸一日+αで20時間以上プレイしてた計算に。もちろん『こいとれ』が面白かったのもあるけど、ここ最近一気読みの傾向が戻ってきてるようで。学生の頃はいつもこうだったのだけど、ある程度以上に忙しくなると効率から考えて合間を置かずに読むしかなくなるってことなのかな。しかし身体は確実についてこなくなってきてるという。
  • この『こいとれ』、『星空のメモリア』と同じくなかひろ先生がシナリオを担当しているのですが……星メモをプレイした人にはぜひやってみてほしい、と思わせる作品でした。そしてギャップの大きさに絶望してほしい。(笑) 「頭撫でないでー」「裏切り者」「むー!」等々、星メモと共通するネタや方法論がたくさんあるのに、それらから受ける印象が全然違う。創作物と受け手にだけに許されたメタな時間遡航を楽しむのもよいのでは、と思います。なかひろ作品は昔のものほど人間不信になれるともっぱらの噂なので、『こいとれ』以前の作品もやってみようかなーとか考えてます。
  • 以下、少しだけネタバレを含むお話など。ネタバレがわりと致命的な作品なのでご注意を。


  • 昨日(02/06)の朝からTwitterで実況(?)していました。見返すとひどいですね。ヒロインをクズ呼ばわりしすぎ。ストレートに好きになれそうなヒロインが一人もいないのは事実なんですが……特にハートと小萌は将来が心配なレベル。(かつてのカナ先輩の方が酷かったのかもしれないけど) 彼女らの依存は、誰と結ばれようがどう言い繕おうが、いつか自身を滅ぼすんじゃないだろうか。プレイした人なら誰もが気付いてるでしょうが、雅先輩が色んな意味で一番マトモ。
  • しかしまるっと終わってみると、あんだけウザかった過干渉のうたは姉さんが一周回って可愛いとか、調教完了したカナ先輩ならちょっとくらい重くても背負っていいかなと思ったりします。知性としてはどちらも頼りになるし、自己嫌悪のループに切れ目を入れれば対話の余地がある。小萌やハートのように禍根が深くない。少なくとも自分はハートや小萌と対話したくないです。これはこれで凄い個性。


  • すれ違いどころか理解を放棄しているくせに、振り返って未練たらしい視線を送るのをやめられない。すぐに知性の欠けた断定をするくせに、そうして規定した自分に自信が持てない。出来損ないのロマンチストを集めたくせに、それぞれの神話を完成させることを決して許さない。この息苦しさが、なかひろ先生なりの若さの表現なんだろうか。鮮やかな切子面を見せる物語ではない。だからその断面を観察し、考えることができる。この物語は私たちを拒まず、むしろ積極的な参加を求めている。恋愛部がそうであるように。
  • 恋愛部No.1の暗黒ヒロイン・恋子先輩については実にコメントしがたいというか、手に負えないよなぁ実際。扱いきれないが故にルートが短かったのかな。主人公である遊くんの心理描写が濃くなかったから助かったけど……書き続けていたらきっと、もっともっと深い暗黒を見ることになっただろう。遊くんは彼女の暗黒に絡め取られて、中身を変えられてしまっただろう。それをやりたいなら、『こいとれ』本編と同じくらいのリソースを整えなければいけないと思う。他のヒロインが抱えた蒙昧さや因循のような、分かりやすい原因に仮託することのできない、本当にやるせない恋子の物語。でも、物語が終わったあとも恋の駆け引きを楽しめるのは彼らだけ、かもしれない。誠意をもって断絶しているから。ちょっとだけ『BackStage』の先輩ルートを思い出したりも。


  • もし先に『星空のメモリア』をプレイしていなかったとしたら、なかひろというライターを大嫌いになってただろうなと思います。要素を見ると似通った部分が多いのに、どうして星メモは"愛される"作品になったのだろうか――などと考えてみると面白いかも。
  • 「今日のあなたはメタメタね」(CV:門脇舞以


  • たぶん、明日に続きます。