戯画 『パルフェ 〜ショコラ second brew〜』感想  戦え、明日の為に。(ネタバレ無し)

あっという間にクリア。全ルート終了。
人気作の続編という立場でどこまでやれるもんかなぁ、と思っていたわけですが・・・
蓋を開けてみれば、どこに出しても恥ずかしくないような良作でした。
「ショコラの二番煎じ」というサブタイが、そんな気のないジョークだろうと思わせるくらいには。


キュリオと対決、というテーマは辛いかなーと心配でしたが、キュリオ-ファミーユ間は(一部の人を除いて)常時まったりしているので前作ファンも安心してプレイ出来ます。むしろキュリオ本店の空気を引き継いでるのはファミーユ側であるし。特に前作キャラが出張ってくることはないので、今作からでも存分に楽しめます。(チラッと名前や姿が出てくるのでやっておくとモアベター)課題だったシステム面もかなり良いレベルまで改善され、ストレス無く遊べます。特に今回実装されたイベントシートは全キャラクリアへの労力をかなり軽減してくれる。これは前作があまりに攻略しづらかった故の反省でしょう。その他諸々、全体から見ても大きな死角はない。


まぁ冷静にできる話はこんなものか。
何を言ってもこの作品で(というかこの作品のシナリオで)受けた衝撃は表現できないと思うんだよなー。少なくとも今使える言葉では絶対に伝わらない。そういう意味では正に完敗、シナリオライター丸戸史明にしてやられた。恋愛ゲームとしての他の要素、音楽や演出、動き、声、そして絵については、どれも最高と言える出来ではない。(悪くはない、んだけれど。) でも、そんなことはどうでも良くなるくらいの魅力がこの作品にはある。今までエロゲ続けてきて良かったなぁ、と思えるくらいの魅力が。


泣きゲー好きの諸君、一番ストライクゾーンなのはあなた達だ。
ツンデレを愛する同志、玲愛がおまいらの抱擁を待ってるぞ。
姉萌えの中の人、まー姉ちゃんヤバイ。ヤバイよ。ダダ甘お姉ちゃんだよ。
前作はプレイしたけどまだ買ってない方、ショコラのクオリティは健在ですよ?
戯画マインを警戒してる玄人、とりあえず俺が踏んだけど死んでないので安全だと思います。
そして歴戦のエロゲーマー、生半可なゲームでは満足出来なくなった奴らでもきっと大丈夫。自信を持って薦めたい。


以下チラシの裏丸戸史明というシナリオライターについて。
過去作をプレイした人はすぐに分かると思うんだけど、彼の「家族」や「仲間」に対する意識というのはとても強烈。今回も例外ではなくて、ファミーユの仲間と仁の家族がシナリオの中核になっている。一つの集団として動くキャラ達を書かせたら右に出るものはいない・・・ってのは信者的視点だけど、間違いなくクオリティの高いシナリオを書く。
作品毎のメインテーマが似通ってるせいもありますが、展開は王道ともありきたりとも取れます。でもその「当たり前」を面白く、感動的に書けるシナリオライターはそういない。自信のある得意分野で勝負する、というのは結局プレイヤーの満足にも繋がると思うのです。
基本的に彼の書くシナリオには悪人がいなくって、主人公含めた仲間がまっすぐに何かに向かって頑張るようになってる。その辺の力強さは何というか、戦車のようだなぁ、と。萌え狂わすような台詞を燃料に、主人公が少しヘタれても皆が勢いづけて、壁が現れても主砲で思いっきりぶっ壊して進んじゃう。溜めがあったとしてもそれは必ずもっと先へ前進する為に使われる。鋼鉄の愛は砕けはしない!(@元長柾木)と言ったところでしょうか。
んで、何が言いたいのかといえば。
こんな丸戸信者の俺が過去最高の作品であると信じる 『パルフェ』 をプレイして欲しい!ということだ。絶対損はさせません。


ネタバレ編はまた明日ー。
   関連:『パルフェ 〜ショコラ second brew〜』公式ページ