『ToHeart2』姫百合姉妹シナリオ  変化球?大本命? (ネタバレ有り)

前作との関わり合いを解くなら、このシナリオは無視出来ない。
だから何か書こうと思ってずっと考えてはいるものの、なかなか思考がまとまらない。
それは多分、このシナリオが要素的には極めて密度の高いものであるからだろう。
考慮すべき要素はパッと考えるだけでも「双子の関係性」「メイドロボの心」「男女と恋愛」「献身依存」「イジメ」「姉妹」「閉鎖的対向」と
二人だけならともかく、貴明が絡むから厄介に・・・彼無しで絡みを解く事は出来ないのですが。


まずは純然たる好みで。
イイ、双子イイ。どちらがイイとか比べる人もいるけどこれはあくまで二人で一つの魅力。
ぽやぽやーんでらぶらぶーな珊瑚とさんちゃん命で強ツンデレな瑠璃に囲まれた生活に貴明は何の不満があるってんでしょうか。
これに少女のようなメイドロボことイルファさんを加えて正にハーレム。大本命の弾丸列車、恋愛ブルジョアジー。恋愛帝国主義のブタめ!
それに「改造せえへんパソコンはパソコンちゃうも〜ん」「カレーは牛!」等の名言も多し。
このシナリオだけテキストデータの量が妙に多いのは、殆どの場面で珊瑚、瑠璃、貴明の3人(後半は+イルファ)で喋ってるから?
まぁ、最後はみんな幸せそうだから、ハッピーエンド原理主義者の自分としてはそれでいいんだ。


以下隔離。殆どプレイ中のメモそのまま。

誰か一人だけを選ぶから、
哀しい思いをする人が出る
      ↓
じゃあみんなでラブラブに
なればええんや〜
ラブ&ピースやで〜
  ※ 洗脳完了。


そして野心的である。
・主人公はヒロインを選ばない
・ヒロインが珊瑚から瑠璃に変わっていく
・雪緒の魂を引き継いだ百合ロボ
  ※ このシナリオには願望がたくさん込められている。


姫百合珊瑚ってかなりの自作機マニアじゃが……
ひょっとしてギガバイ子と関係あるのかのぅ……
  ※ チャイナシニョン繋がり。


○×ゲームは負けないようにすれば絶対に負けることが無いからじゃ?
ちなみに○×ゲームでコンピュータにむなしさを教えるのは映画が元ネタだね。
  ※ ウォーゲーム参照。映画ネタ多いなぁ。


どっちかだけじゃなく、両方を家族と恋人兼用で愛してくれる、便利で卑怯な奴が
手に入ったわけで・・・・。
  ※ それはよく分かる。


人は、自分を必要とする人のそばに寄り添うものである
  ※ うむ。人の為に何か出来る喜びには中毒性があるから。


本編EDその後のストーリー
第一話 貴明、珊瑚、瑠璃うれはずかし3Pで初えっち
第二話 その晩、貴明シャワー中にイルファさんに襲われる
第三話 貴明、イルファさんの瑠璃攻略の手伝いをさせられる、3P
第四話 日曜の昼下がり貴明と珊瑚のおるすばん
貴明は一度たりとも自分の意思でえっちすることは無く、毎回ずるずる
流されて飼いならされていくというお話に。
  ※ これなら最高だっつーの。作れ。


ファンディスク出してって要望するのはわかるけどさ。
本編で語りたいこと全部語り尽くせるに越したことないんだよね。
それが残念といえば残念かな。
FD期待の反応がこれだけあるってことは、みんな不完全燃焼なんだろ?
出なくても満足、くらいの物が出来ればそれが一番であろう。
いや、FD出たら買いそうだけど。
  ※ 気持ちが成仏しない人。


二次創作推進派な自分としては、今回のように拡張スロットを残した仕様は大いに満足。
  ※ これが鍵葉世代。


初プレイ時の俺の読みは・・
珊瑚が塀の上で猫と喋っている(俺 「こんな人間いねーよ」)
⇒珊瑚はロボットだな(理由・・消えたかと思う程の速さでキーを叩く)
⇒珊瑚は絶対にロボットだな(理由・・図書館で起きない。瑠璃が背負い帰る。電池切れ)
⇒珊瑚のロボット説、確定(理由・・珊瑚「小さい時から・・」 俺「だから双子という設定だったのか(ニヤソ)」)
⇒瑠璃がロボットか?(理由・・サッカーロボが相手選手を蹴る ← 瑠璃の行動っぽい。付せん?)
⇒実は二人ともロボット? (理由・・俺の頭の混乱が原因)
イルファ登場(俺・・(l|l ゜Д゜l|) え〜〜〜っ!?)
チキショウ! 騙された! やるな、ライターさん。
  ※ 貴方はすごい。ライターより貴方がすごい。


俺は瑠璃がロボット(瑠璃本人は自分は人間だと思ってる)だと思ってた
珊瑚が家事とかできないのはわざとで瑠璃に居場所を与えるためだと思ってた。
  ※ これはこれで面白そうだ。


         ┌──────(ラブ)──―───┐
         │                       │
         瑠 ─(最愛)→   珊  ←(ラブ)→ 貴 ←──┐
         璃 ←(姉妹愛)    瑚          明 ──┐│
        ↑ │      /↑  │\       ↑ │   ││
       (最愛)  (母娘) (最愛)  │ (母娘)(最愛) │   ││
        │(友達) /    │   (娘)   \   (クマ吉) .││
        │ ↓/       │   ↓     \│ ↓   ││
    ┌→イルファ←(姉妹)→シルファ←(姉妹)→ミルファ  ││
    │   │          ↑                ││
(姉妹? 親子?)|           └─(股を見ればフラグon)─┘│
    │   └──────(旦那様にしたい…)─────-┘
    ↓
   マルチ←─(認めたくないがこいつらと姉妹)──セリオ
  ※ これは良い出来。ちーを三本程やってもいい。しかしセリオ黒すぎ。


珊瑚(とイルファミルファ)が目をバッテンにして
「やだやだやだやだ貴明と一緒でないとやだ」
とジタバタごねまくると、道理が引っ込み無理が通ると思う。
もっとも、貴明は「ぼくたち家族だし、清い交際から
はじめようね?ね?」とかいいながら、後ずさりして
逃げていく気がする。
そうすると「なーなーなーなー貴明遊ぼうなー」と
珊瑚が貴明の家に遊びに行ったり、
「くぉらぁ、さんちゃんかどわかしたなぁ、このへんたいぃ」と
瑠璃が怒鳴り込んできたり、
「貴明様のお食事には問題がありすぎますので、これから
ちょくちょく寄らせていただきます」とイルファが日参したり、
「わたしあなたのメイドさぁん」とミルファが押しかけ女房したりと、
結局河野邸が姫百合姉妹の別邸になる気がする。
そんなこんなで、自室のベッドに腰掛け、呆然・憮然としている貴明と、
貴明に開けっぴろげに抱きついて甘えてるミルファと、
貴明のパソコンを完全にチューンして自分用の端末にして
遊んでいる珊瑚と、
階下でカンカラカンカラ鉄鍋を鳴らしながらイルファと食事作ってる
瑠璃と、「焼きたてジャぱん」で黒やんのあんバタ解説をしこしこ
メモって珊瑚に食べさせようとウットリしてるシルファの姿が
目に浮かぶようである。
  ※ ハーレム! 頼むからSS書いてくれ。


「誰にとってもハーレムだな」
  ※ これが今回普通のハーレムエンドより優れている点。
  あとの問題はバランス取りだけなのだ・・・それが一番難しいか。

参考:作中に出てきたヴォイニッチ手稿について


第一に。
このシナリオの源流は前作のマルチorあかりシナリオ、下校時の会話のあかりの台詞
「新婚なのにメイドロボにお仕事取られちゃったらいやだなぁ。でもお友達みたいな子だったらいいかも」(意訳)
だと思う。メイドロボに関しては「ToHeart 〜Remember my memories〜」も参照しておきたいが未見。


長瀬の価値観ってのはやはり熱いものがある。
寂しさが生む代用品。育てる(育つ)機械であるところのイルファ
瑠璃の気持ちとイルファの気持ちは同種異方。
しかしそれをユーザー(貴明)に判明させるのが遅すぎる。
最後にそんな思い出話を持ち込むのは下の下だよ。
そして何より後半の展開が余りにも読めすぎなのはどうか。
結論は同じでも方法にこだわるべき。


その人の隣以外に居場所がない。献身依存、対向から三すくみへ。
正常に回す為に必要だった3人目がそのループを反対に回してしまった、と。
いや、三すくみを画策した事自体が間違い。相互でない物を維持させるのは神の業。
外から力で形状を修復する役割に貴明を配した。正四面体・・・にはなりきれてない。
もし何かあれば、最初に切り捨てられるのは貴明だろう。全てを手に入れようとして力及ばず。
あくまで瑠璃珊瑚の直線関係を中心として少し離れた位置に貴明を置き、二等辺三角形にする。
反対側の位置にイルファを添えれば結構妥当な形になるか。
しかし幸せそうだな。信頼出来る人、頼れる人、すきすきすきーな人が3人もいたら。


心を生み出すAI。忘れるっつーか情報の取捨選択とファジー回路で実現出来るか?
心という定義された形式でなくても、高度に複雑化された思考回路はもう十分に人と同列たりえる。


恋を知らない彼らの、彼らなりの結論。これ自体は目新しいものではなく、既に通過した点。
しかし違和感が残るのは「ゼロから」出発したから。いままでは「語られない部分」に頼った結論。
後者は読者に任せた、ってああこれがプレイヤーに作ってもらう文章って奴かと納得する。


今回の関係の一番怖いところは、明らかに外部の力に弱い事。
金銭問題といういやーな話は珊瑚によって解決済みだけど、彼らは他人の悪意には弱そうな気がするんで。
ハーレムエンドにはつきものの問題だから、この際いっそ無視しちゃえってのが上級者の楽しみ方。6Pマダー?


身体の外に心がある。心の一部は世界の一部。対象そのものではなくその鏡で映し出した像が
世界ってのは七年前に到達した結論。自分の中身を覗いたって何もありゃしない。


結局のところ説得力ってのは読者を黙らせる力なんだ、と当たり前の結論。
ならここまでうだうだ書いてる双子シナリオはどうなのよ?って話。
シナリオ自体はすごく好きだ。でもこれで良いとは全然思ってない。


「楽しくないと、好きになった意味無いやん。」なら、俺は楽しんでるから蝶オッケー。


さぁ、最高の結論を守り抜く為に、この先無限に存在する戦場をどう切り抜けるか。
しかしここは東鳩の時空。過去に外人もメイドロボもESPも、現在ではタイムトラベラーも宇宙人も長瀬の血筋も見事ねじ伏せてきた。
双子+メイドロボsのハーレム程度に働く強制力ならわけもない。