ホワイトブレス・美乃シナリオ  貴方に感謝の花束を (ネタバレ戯言注意)

おおお、意外なる伏兵でしたよ。
こだわりが一つで複雑でない分、そこに意識を集中出来る感じで好感触。

このシナリオのどこが良かったかと言われれば、司が幸せそうだったところと答える。
ホワイトブレスにおいて司は設定上、何も与えられていない。
父親は不在、再婚で得たはずの母親は間もなく離れ、自身は病気を抱えている。(唯一の救いは凪沙の存在)
人並みに手に入る幸せを与えてもらえないという意味では美乃とよく似た悲劇を抱えている。
美乃シナリオは、そんな司が持たざるモノを獲得する物語である、と大袈裟ながらに思うのです。
失われた母性を美乃から貰って、太平や洋子とのふれあいから不在の父性を自らの内に生み出して、
三人が本当の「きょうだい」になって、その中に自分の居場所がある。これを幸せと言わずになんと言うか。
ののかシナリオと共通点は多い。
結局司が求めていたのは「繋がり」であって、ののかシナリオの場合失われた家族をより強固に取り戻す形で達成される。
美乃とののか、二人の根幹にある性質は献身であり司を許す存在である。ののかは妹であり母でもある、とも。
決定的な違いは太平と洋子の存在だろう。彼らのお陰でより大きな絆を結ぶ事が出来たから。
美乃の親を電話以外で出さなかったのも、不在であるという印象を強めていてののかシナリオと違い効果的だった。
いやまあ。両親共働きの家庭なら美大行く余裕あるんじゃない? という突っ込みはある。
検索してみたところ授業料に関して国立では年五十万、私立で年百八十万程度らしいので
その他含めても国立なら問題ないんではないかな、と思います。
進学を渋るということは志望は私大の可能性が高いと思いますが、父親の職種次第・・・でしょうね。
奨学生が取れるほど成績優秀、といった感じでもないしやはり厳しいのか。
(美乃は自分に自信がない畑の人なので実態は掴めない感じだけど)
おちびちゃんたちが居るからと美乃は言いますが、あれだけ年が離れていると(小学校中学年程度と推測)
美乃が大学に通う間には高校進学は有り得ないからむしろ親の金銭的負担は少ないのでは?
結局美乃が大学進学を渋っていた最大の要素は「自分に自信がないから」だった、と。
自分は美大でやっていけるかというのも、新しい父親に(金銭的に)甘えられないというのも根は自分の中にある。
彼女の場合それが美徳でもあるので難しいところなのですが、司の存在がいい感じに自信に結びついてくれた。
マスターが心配するのも尤もだ。
守る力の強さに憧れる身としては、このシナリオでの美乃や司が本当に羨ましかったりするのです。
やはり自分の持たざるモノを持っている、というのは響きます。ある種の恋愛感情。
妄言。
何故洋子ちゃんは攻略できませんか?(流石に太平君を攻略させろとは言いません)
だって三つ編みだし。迷子イベントでさりげなーくパンチラまで見せてくれるのに。
参考:美大受験・芸大受験ガイド<美大へ行こう!>
   エディプス・コンプレックスの本質