こなたよりかなたまで・再プレイ  無限に続く円舞曲

はるのあしおとの次は評判が怪しげな「ホワイトブレス」を予定していたのですが。
似た様なテーマで、比較される事の多いこなかなを復習しておくのも悪くないかな、と思い再プレイ。
死をテーマにした作品では一番好きといっても過言ではない位の作品、比べるのは酷だろうか。
やっぱ遥彼方(人の名前ですよ)が素敵すぎる。こなかなの半分は彼方で出来ています。
人一人が死ぬとはどういう事か。その重みを表現するには薄っぺらな主人公では役者不足になる。
支えてくれた人達、残される者の悲しみ、突き通す意地、そして最期に自分が、大切な人達に残せるモノ。
一人一つずつ主題があり、それら全てを合わせて遥彼方の生き様になる。良くできた作品だと思います。
短いと言う人も多いけど無駄のない造りだと思うし、長くしては失われる美しさがある。
お、久し振りにネタバレのない感想だ。ここから下はネタバレですが。
プレイしながらメモをとっていたのですが、この作品は名台詞が多すぎる。
「無限に踏み込むからって、自分を変える必要はない。」
「「永遠を生きるから共に歩める」ではなく、「共に歩むから永遠を生きる」」
「貴方の花嫁は世界一ですから。」等々、このゲームの半分は(ry
非日常の美しさ。散る美しさも永遠の美しさも、いつも背中合わせだと云うことでしょうか。
でも一番輝いていたのは共に生きる美しさ、花嫁姿のクリステル=遥=マリーだったのは間違いない。
それこそ「金色の桜、輝ける春」。あー、なんかポエムじみてきたな。

再プレイだと色々印象が変わってまた面白いんですが、佐倉シナリオが意外なほどすんなり受け取れて驚いた。
佐倉に告げるかどうかは、前向きに死に向かう彼方にとって唯一の未解決問題であって、
どういう形であれ彼女に許される、ということは即ち全ての赦しとなるのではと思える様になった。
意地を突き通して空虚に笑う彼方も、個人的には救いが無くて結構好きだけれど、それでは彼に救いがない。
蛇足。意地を突き通す、と言えばFateの士郎がどうしても頭を過ぎる。
エロゲ板では業界屈指のヘタレ主人公としてもはや認定済み、と言う感じですけど
我を通すという意味では彼ほど頑固だった人間も居ないかも知れません。
正義の味方であろうとする士郎と恨まれて消えていこうとする彼方がちょっとだけ重なって見えた。
クリスTRUEシナリオ終章のタイトルで、メインメニューでもタイトル下にさりげなく書いてある「フィンランディア」について。
ロシアに支配され圧政に苦しむフィンランド人が愛国運動の心の支えにしたと言われる交響詩(Symphonic Poem)だそうで。

 七つの海越えひびけ
 はるかの国の人へ
 ふるさとの野に歌える
 私の希望こそ
 世界のすみまで同じ
 平和へのうたごえ

クリスの故郷はフィンランドなのか?串刺し公、吸血鬼のモデルとも言われたヴラド・ツェペシュはワラキア地方、今のルーマニアの人物。(作中でもクリスは「串刺し公の娘」と言われているし。)
フィンランドと言えばこころナビのアイノ・ペコネンであるあたり相当偏った認識であるのは確か。

フィンランド人に喜ばれる性格は…
正直である事、頼りになる事、控え目である事

参考:
    
     (音注意。メロディーが聴けます。)