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全ルート終了。
まず言うべきは何故あんなところでエンディングになったのかと言う事でしょう。
どうして最期、彼方の人生の終わりまで書かなかったのか。
彼方が最期に残したもの、最期まで突き通した意地を見届けずに終わるのは
どうしても物足りない、完結していないという感じがしてしまう。
まあ、良く解釈すれば死にゆく彼方が望んだものはあくまで最期まで「生きる」ことで、
最期の瞬間にだけ現れるようなものではない、とも。
それとも-独唱 金色の桜、輝ける春-でのクリスとの会話こそ彼らしい最期ということでしょうか。
なんにせよ、彼がクリス以外のヒロイン達とどんな最後を迎えたのか。
それを想像するのも楽しさ、とも言えますが。
さて文句はこの辺で。後は基本的に褒める所。
最後まで彼方が凄い。降りかかった不幸を呪うこともせず、生きることだけを望む。
一番辛いくせに一番優しい。作中の言葉を借りれば
他人に甘えることを良しとしない、そういう厳しさ。
正に主人公であったなぁ、と思います。
ヒロインも魅力ある人達ばかり。何といってもクリス。
普段のわがままお姫様の彼女も永遠の悲しみを知る彼女も魅力的。CVの演技も良好。
死の迫る彼方と永遠を生きるクリスという対比は非常に美しかった。
クリスは本当に「金色の桜」だったんですね。
クリスの差し出した永遠は彼方にとっての永遠ではなくて。
人は関係性の中で生きていて、それを捨てることは今まで愛した君も捨てることになる、と
拒絶した彼方は本当に人間らしい。しかもTrueエンドでは、それを踏まえた上で
その永遠すら「在りたい自分」の中に抱きかかえてクリスと共に歩む事を決める。
この時の彼方は決意に溢れて、もはや何にも追いつかれないであろう、と感じたり。
パートナーとしてこれ以上心強い人は居ないだろう。
意外なほど良かったのが九重二十重。サブキャラっぽいですが良いツンデレ。
これからも血に塗れて生きていかなければならない彼女に彼方が差し出した救いは
彼方の遺志として彼女の未来へ連なっていくでしょう。
死にゆく人間が未来を創り出すという皮肉。それでも彼女は踊り続ける。
優・いずみのストーリーは過去の話で一見何も起きていないように見えるけど、
彼方の望みである最期まで「生きる」ことに関しての答えの様に思える。
すぐ近くに愛すべき人達がいて、助け合って生きていけるなら。
唯一彼方自身が他人によって救われる可能性を示しているのでは。
いろんな場所で言われている通り、確かに全体の尺を見れば短い。
しかしそれは宝石を磨くように、綺麗な部分を集めているからだと思う。
必要以上に冗長であるより、研ぎ澄まされた輝きを持っている方がいい。
風呂敷は広げるだけではなくて畳まなくてはいけませんから。ほら、セイバーさんも小さな隙に大きく打ち込むのは愚の骨頂と言ってることだし。
某さんもその辺を判ってくれると嬉しいんですが。
―――――――――ここからメモ書き―――――――――――
サウンドはいつも通りのI've。いい仕事してます。
OPはKOTOKO。相変わらずいいですねぇ。も期待してますよー。
原画:しゃあ・・・ってかー!
どっかで見たことあると思ったよー。だって優とかレンっぽいし。
しかしそんな事言い出すとクリスはアルク、九重はシエルになってしまう罠。
作中で優に関して「小学六年生」と明記されていてちょっと焦った。いやマジでやばいって。
と思ったらえちシーン無しでした。不純なボクを許しておくれ_| ̄|○