ユニゾンシフト・ブロッサム『Flyable Heart』関連コメントレス (ネタバレ有)

 ずいぶん遅くなってしまい申し訳ありません。未プレイの人はマジで見ない方がいいと思いますよ。

茉百合様の人気投票でのぶっちぎりっぷりと、ここでのコメントに惹かれて、FlyableHeartをやりしました。(ネタバレは黒鷺くらいしか踏んでません。Twitterを先に見たので、コメント欄のネタバレも踏まずにすみました。)
一週間足らずでクリアできたエロゲなんて久しぶり。違和感から世界の構成などを推測するが楽しかったです。おかげで春アニメ新番ほとんどみることができてない。
攻略順はここのコメントに書かれた通り、茉百合→桜子→天音→くるり→結衣でやりました。
茉百合ルートは、元世界に戻る際の違和感が一番少ないので、これだけで世界の構成に気づくのはかなり難しいと思います。(茉百合クリア後のプロフィールに書かれた、茂樹の死亡と生存の食い違いの違和感を突き詰めれば可能かも)
自分は桜子ルートクリアで、世界が2つあることに気づきました。落ちたあとに結衣がいないことも。このこともあって、一番ぐっと来たのは桜子ルートかな。(木から落ちた子供の夢の違いあたりとか。)
書いている途中で気づいたけど、桜子の血液型がO型で、晶と結衣の血液型がAB型だと、茂樹がO型じゃなくて心臓移植できないのでは?と思ったけど、双子の片割れを吸収しているので、母親がAB型で AO と BO が混ざって ABになったとか、特殊な事例なので逃げ道はあるかなと自己解決してみたり。茂樹のプロフィールに血液型明記してないし。
キャラ的に好きなのはくるりで、甘えた声で名前の方を呼ぶあたりのギャップとかマジやばい。あと、20年後も外見変わらないとか完璧じゃね。
攻略順に関しては、結衣はいろいろ見え過ぎるので最後というのは納得なのですが、他はバラバラにしても別の楽しみ方があるかも。(すずのからの干渉が直接的でない順という意味で妥当だとも思いますが)
桜子と天音を逆にすれば、タイムスリップものとミスリードする可能性もありましたり、くるりを初めにして砂のシーンでマジ絶望したり、茉百合を後の方にして今まで長く接した分との落差に喜んだり・・・じゃなくてショックを受けたりするのもよいのでは。
残った疑問点とかについて書こうかとおもったけど、ながくなったので、とりあえずここまでで。

 遡行お疲れ様です。いやはや、一気にプレイしたくなるゲームですよねぇ。茉百合様ルートで罵られ、桜子ルートで"世界の読み換え"を疑って、天音ルートで時空遡行に気付き、くるりルートで絶望し、結衣ルートで心情的な解決を見て、最後にすずのルートで大団円でした。クリア順については確かに、まだ検討の余地があるかと思います。初っ端でくるり→茉百合の順だとかなり絶望できますね。それから天音→桜子だと真相に辿り着きにくそうでイイ。
 好きなヒロインは特に誰って感じでもないかなぁ。王道の桜子、変化球っつーかむしろデッドボールの魔百合さま、CVちゃたーにのギャップがヤバいくるりん、"銀の靴"の結衣、それぞれ個性的だったと思います。くるりんルートは終盤の甘さが凄いだけに、砂になってロストした時は心臓炙られる想いでしたね……
 ネタバレを踏まずに読むと、結構頭を絞ることになると思うんですよねこの作品。しかし要素が多すぎたり難解だったりするワケでもなく、女の子は可愛く愛情は深く、非常によくバランスが取れた作品かな、と。(スタートはやや低速ですけど) ユニゾン作品では一番のお気に入りかも。ゲームとしての基本機能がもう少し練られているともっと良かった。ユニゾンは老舗の領域に入るブランドだと思うんですが、それにしてはちょっとお粗末。

Flyable Heart の疑問点についていくつか。

まず、晶くんが向こうの世界に飛んだ原因は、花火自体なのか、花火による落下から助けようとした際に誤ってなのか?
花火自体にそんな作用があるとは考えにくい(無いとは言えない)ので、後者だと思っているのですが、その場合、向こうの世界に飛ぶこと自体がイレギュラーだったのだろうか?
テストケースと言ってたので、それほど重要ではなく、花火でけがする晶を助けることだけが目的だったのかな?

次に、Dr. flyer はどの世界から来たのか?
仮説1:そのルートの晶世界
仮説2:常に誰か一人(すずの?)のルート後の晶世界
茉百合とくるりルートでは会っていないが、すずのルートでのあの様子を見ると一人で自力で思い出すのは難しそうなので、Dr. flyerはどのルートでも来ていると思う。
すずのルートだと、葛木?とよび、苦労性うんぬんと言っているので、すずのルート後から来ているのは確定だとおもいます。
すずのルート以外だと、葛木、晶?と呼んでいるので、未来ではあまり近くにいない=すずのルート後ではない、つまり仮定1かなと思っています。
ただ、恋人の名前を聞いているのは、よく覚えていないからなのか、そのルート後から来ていないためなのかがわからない。(結衣世界に飛んだ先で、いくつもの分岐がある世界を見ている?)
結衣ルートでは、一度晶世界にもどして、逆転制御現象を起こすことにより、耐性遺伝子の取得やフライアの試作機を作ることを、晶世界で確定化させたのかな?

疑問ばかりでまとまってませんが、他の人の意見も聞きたいところです。

 さて、ここからややこしい話になります。未プレイの人は見ると砂になります。
 まず、彼らの宇宙についてどのようなモデルを適用するかが問題になると思います。自分は彼らの遡行救助を『時砂の王』式、枝状宇宙の剪定に見立てました。選択可能性による分岐と時間の縦軸で、枝葉が広がっていく宇宙。くるりが砂になる宇宙も実在して、健忘耐性遺伝子は過去や未来からの"因果効果"(フィードバック)に対して自分を切り離せる性質ではないかと。
 ベースになっているのは、実は茉百合ルートなんじゃないかなと思ってます。あのルートだけは、"片付けの日"の早朝にフライア現象(仮)が起きてます。あの時点ですずのは任務を取り戻していないわけで、そうするとあのジャンプは晶自身の能力で起きている……というか、世界の修正力(仮)は強いであろうことは見て取れるので、フライア(あるいは結衣の宇宙)に縁の深い人物と関わらないと自然に晶の宇宙に戻る、とか。
 Dr.flyerがすずのを晶の元に送り込んだ瞬間、その干渉によって宇宙が分岐する。くるり自身がそれを理解しているからあえて確認を取った。基本はすずのルートから結衣宇宙に飛んできているのではと思います。飛んだ先が自分の世界と違う枝宇宙でもパラドクスは発生しない。すずのルートの未来から来たDr.flyerは、過去に晶が"時空跳躍者によって救われた"ことをある程度知っていて、それをベースにすずのを未来に送り込んだ? 世界の修正力に呑まれない、健忘耐性遺伝子からフライアが獲得した能力を使って。その上で天音だとOK、桜子だとしんどいよ、結衣だとやるせないと発言する。約20年後という近い未来でフライアが完成しているのはすずのルートの未来だけで、Dr.flyerが多数ある分岐後の結衣宇宙のすずのの全てを帰還させた? ループ構造的ではあるけれど、外部から見た時間断面的に作中は最新の宇宙だった?
 この辺りは正直かなりややこしく、実は今まとめてる最中だったり。再プレイに取れる時間が少ないのでなかなか進みませんが……

flyable heartクリアしました。
序盤の展開がおざなりでう〜んと言う感じでしたが、
中盤以降、特に個別ルートに入ってからは
どのルートも素晴らしかったです。
桜子さんと結衣のルートとかは、
ラストルートが○○であるからこそ、
その美しさが光っているのかなあと思いました。
それを考慮してライターさんが書いたのならば
これは結構いいゲームに思えます。
そう考えると、ラストルートは
物語の伏線を回収するルートではあっても、
それを物語を総括するルートと
捉える必要はないのかなと思いました。
なんとなく、ひぐらしのなく頃に 礼の
賽殺し編を思い出しました

 いやはや、今までのユニゾンゲーのテイストとも近くはあるのですが、完成度が"飛躍的に"高まってるのではないかと。(ご指摘の通り序盤はやや退屈でしたが、これは構造上仕方ないか)
 すずのルートもあくまで可能性の一つ、と自分は考えてます。心情的には桜子と結衣のルートが熱くて、特に桜子と結衣のそれぞれが"晶を守る"と伝える場面は心に響いたなぁ。銀の靴の比喩は素晴らしい。茉百合さんやくるりはキャラクタとして面白いし、見かけ以上に奥深い作品です。