『夜明け前より瑠璃色な -Moonlight Cradle-』関連コメントレス(ネタバレ注意)

シンシアルートでの行動が間違ってはいないのだろう、何も始めていない達也が出来る最大限の行いはあれで正しいと思う。
でも、フィーナルートを込みで考えると微妙と言うか、つまりフィーナたちが辿り着いた答えでは、まだシンシアを帰す訳には行かなくて、それは終止符を打ってないんじゃないかな、とか。
自分は、フィーナルートでフィーナとシンシアが交差する事、戦争の時代から世界が変わったことを、あの世界を象徴するフィーナが表明する事を望んだ。
いや簡単に出来る事じゃないよ、って言うのは確かにそうなんだけれど、でも数百年スパンなら達成できるって言うのもそれはそれでいい加減な態度だ、その間に人類が退行しない保証など無い。
自分は、シンシアでもフィアッカでも達也でもできない事を、フィーナがやり遂げるだろう、と思っていた。
フィアッカの独白ではなく、シンシアをこちらに引き戻さないまでも、シンシアが納得する回答をフィーナが出してくれればと思う。
(でもこの見方は社会派的なもので、SF的なものではないのだろう、自分は人類社会が一個一個の生命体に対しどう在るかを見据えている。)
それと、シンシアルートを受け付けがたいのは、別れる際のCGの指定ミスも尾を引いているのかもしれない。
よく見れば分かるのだけど、目がリースなんよ、フィアッカではなく。
ってパッチでてるかも分からんけど、一気にやったので酷く幻滅した覚えがある。
なんだかんだでけよりな大好きですね、ここまでヒートアップする作品もそうは無い。

 フィーナシナリオは"前奏曲"にすぎないのでしょう。王宮の様子を見ても、あの時代の人類は明らかに幼すぎます。人格を持たない技術を取り扱うなら、最低レベルの人間を抑止するシステムが必要。そして彼女は政治に関わる人間であり、アクロバットで空白を飛び越える(人類全てを一度に変革する)ことはできない。技術も同じ、人が生きることで前に進むもので、その成長が歴史を創るのだと思います。技術者としてあの500年の空白は譲れません。彼女の背負う業は一人の論理で覆されるものではないし、形ある技術によってのみ解かれるべきものです。
 未来の人類を信じないのであれば、シンシアは最後に施設を破壊したはず。彼女が自沈プログラムのキーをへし折った時の気概は、何より優しく誇り高いものであると思っています (トランスポータを運用することで、他シナリオに比べて100年以上はシンシアの帰還が早まった可能性はあります。何度でも言いますが、人類の健やかなる歩みこそが彼女に近づく唯一の手段だと信じています)

サイレントマジョリティの意見までは分かりませんが、某巨大掲示板の当該スレッドではかなり好評のようですシンシアシナリオ。
新キャラなので相対的に語ることが多かったってのもあるかもしれませんが、一時期話題のほとんどを占めてましたね。
それでも極偶にしか否定意見は見ませんでしたから、住人には概ね受け入れられているようです。
自分も結構好きですね。二人のマルグリットの遣り取りは、微笑ましくもあり、切なくもあり。達哉も含め、単純に自己犠牲とも言い切れない、尊い“やせ我慢”をする人たちのお話だったような気がします。

 そうだったのですね。今回はスレチェックなどはほとんどしてなくて、Twitterの印象を中心に見ていたのですが……オーガストのコアファンにとってあのSF味は心地よい? フィアッカとシンシアの間に流れるものは、血を含み血よりも濃いものであったように思います。

愛が溢れまくった渾身のMC感想乙。自分もこの作品に対する愛情を、Su氏のようにこうして言語化できれば、と改めて痛感しました。シンシアとフィアッカについての言及然り、カレンやフィーナの存在についても然り、どれも胸にストンと落ちてくるものばかりで本当に素晴らしい。
やはり自分にはSF者の視点が絶対的に足りないなあ。『R.U.R.U.R』以来、SFを手に取る頻度が徐々に高まってきてはいるのですが、恥ずかしながら理系的な教養が小学生レベルで止まっている人間なので、読んでいても頭の中でうまくイメージを結べない場合がほとんどなんですよね。
いい機会だし、小学校の教科書からもう一度勉強し直そうか、とかわりと本気で考えていたり。ああ、この向学心を十数年前に持ち合わせていれば……。

 今回のシンシアシナリオを好きになったのであれば、楽しめるSFは本当にたくさんあるでしょう。自分も『R.U.R.U.R』がきっかけで読み始めて、今ではすっかり染まってます。一応理系(というか工学系)なので、イーガンのような技術寄りのものが好きだったりしますが、そうでない視点での楽しみ方もいいのではと思います。SFの中心は単純な技術要素ではなく皮肉と理想、かも。