『TOKOLOGY』担当パート「"Logics to be Cheerful" are here.」サンプル(+当日情報ほか)

 「小さな頃は両親のことが嫌いだったりした」と漏らす透子の態度には、直前の両親登場の場面と合わせて強い違和感があります。良い思い出や素晴らしいものを語ろうとする彼女の、ひどく感情的な一言。

 特別でない一日の中で成就した彼らの"初恋"。その美しさは見る者の感覚を麻痺させてしまいます。まるでそれが当然であるかのように。幼なじみの特別な繋がりを純粋に信じて、放っておいても結ばれる二人だったとみなすのは簡単です。しかし、松宮透子という聡明で臆病な女性は、そのように物事を楽観視する人物には思えませんでした。彼女がなぜ誠一に美しい世界を語ったのか、何を隠し何を見せようとしていたのか――それらを定義するという理念の元にブチ上げたのが "Logics to be Cheerful" です。

 一人の女性として誠一と正対することになった時、お姉さんを自称する彼女ならば考えたはずです。決して同じ轍は踏まないと。

 作品には書かれていない部分を想像で埋めたものであり、「WE SHOULD BE SO LUCKY.」とは比較にならないくらい悪質なのですが……それはいつものことなので、あまり気にしないでいただけると幸いです。持っている人は少ないと思いますが、以前の『さくらむすび』本の内容に近いかもしれません。


 何件か問い合わせがあったのですが、現段階では店舗委託は考えていません。会場頒布量としては明らかに多く、店舗委託に回すにはどうも少ないというハンパな部数なので。店舗委託分に期待して追加で刷るには勇気のいるジャンルですし、こちらの懐事情も……代わりと言ってはなんですが、各種オールジャンル即売会などでは積極的に委託していきたいと思います。相手先が見つかれば。個別の通販についてはこれからメンバー内で相談します。あと、心の余裕があれば個人でコピー本でも用意しようかと思ってます。この辺は直前まで流動的なので、何も無かったら挫折したんだなと笑ってやってください。

 コミックマーケット76出展情報 『ワンコとリリー』二次創作合同誌『TOKOLOGY』

リリーを買いに走れ
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 このたび、コミックマーケット76サークル「NH3」として出展することになりました。あくまで永倉個人の活動であり、当サイトとはあまり関係ない話なのですが、少しだけ。


 題材は『ワンコとリリー』、タイトルは『TOKOLOGY』――直訳するなら"透子学"でしょうか。初回版をお持ちの方は由来の分かるタイトルかもしれません。企画自体は年明け直後から動かしていて、(主に古炉奈で)色々と悪巧みをしてました。CUFFS作品全般でやるかって話も出たのですが、それは『Garden』の完成待ちってことになりました。単一作品の方が読む方も分かりやすいかな、とも。


 漫画とSSで構成された「WE SHOULD BE SO LUCKY.」を中心に、後半には考察なども掲載しております。総体としてはカオスな本ですが、それぞれの作品は真っ当(?)なものです。メンバーの構成上、やや文章多めの本になっています。ゲストにはワカランの小雪さんを迎えまして、たいへん可愛らしい漫画を描いていただきました。本編同様に癒されます。


 自分はまあ、いつも通りの文章とか書きました。違うとすればいつもよりポエム70%増しってことくらいで、コンセプトは「乙女学入門」と「しあわせの理由」。それと併せて今回は、本の体裁にするための編集作業も担当しました。普段はいい加減なレイアウトラフを創るためにしか使ってないInDesignの基礎からやり直しつつ、他メンバーのバックアップによってそれらしい形に。


 総ページ数52p、頒布価格は500円。コインいっこいれてください。細かいと釣り銭が面倒ってのもありますし、多少は良心的な価格を目指して設定しました。初参加のくせにアホほど刷ったので、ゆっくり来ても手に入るでしょう多分。


 では、三日目の東5ホール・マ-43b「NH3」にてお待ちしております。